大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26年(オ)652号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔要旨〕「手形振出人である会社の代表者として記名捺印した者は手形振出当時代表取締役ではなかつたが、取締役であつたし、その以前には代表取締役であり、会社は右手形振出当時も同人に代表取締役および取締役社長という名称を使わしており、右手形の裏書をうける当時同人に代表権がないことは知らなかつた」という主張は、右手形の振出につき会社は、商法第二六二条にいわゆる表見代表取締役の行為に基く責任を負担するだけでなく、民法第一一二条により代表権の消滅をもつて善意の手形裏書人に対抗できない旨主張するものと認むべきである。

〔説明〕事案は特に説明するまでもない。要旨掲記の主張は確に商法二六二条に関するもののみ、のようにも見える。特に記録上ははつきり同条のみの主張をしているのである。しかし原判決の摘示事実からは、民法一一二条に関する主張も含まれているとみられないことはない。そして事案は、手形を振出した取締役が代表取締役当時振出した手形の書換手形金を請求するものであつて、会社には本来責任のある場合に関するのであり、原審が本件請求を排斥したのは余りに形式にすぎると思えぬことはなく、上告審でこれを破棄したのは当然だと考えられる。 (長谷部調査官)

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